現状のビジネスDDの問題は  事業の中身が把握できないこと

「ビジネスDDを行わずに会社を買う」とは、「事業の『中身』を知らずに会社を買う」こと

【ビジネスDDを実施せずに会社を買収する意義】
 「ビジネスDD」は、事業の「中身」を知るために行います。事業の中身を理解しているからこそ、買収後に、買収企業の問題の改善や、強み活用の施策、シナジー効果を発揮するための施策を打ち出すことができのです。
 日常生活でモノ(日用品・家具・家電・建物・・・)を購入する場合は、必ず「中身」を知った上で購入します。モノは「中身」を知った上で購入するのは当たり前です。
 つまり、M&Aでは、日常生活で当たり前に行っている「中身を知って購入する」という行為が実施できていないのです。
 財務DD・法務DDで、財務・法務のリスクのみ把握して、肝心の事業の中身を把握せずに会社を購入しているのです。

ビジネスDDでは、まずは中小企業の実態を把握することが重要

【大手企業と中小企業の違いを認識することが大事】
 中小企業と大手企業は、経営手法や業務運営方法は大きく異なります。多くのビジネス書や教科書(経営、財務分析、事務など)に書かれた内容の多くは大企業向けです。
 ただし、大手企業と同様の手法を、中小企業に当てはめても、中小企業の経営はうまくいきません。個人M&Aで、個人(サラリーマン)が企業を買収する際に失敗するのは、大企業の管理者と同じように、中小企業の経営を実施してしまうためなのです。
 個人M&Aの場合、成功するには、買手のサラリーマンが、中小企業の実態を把握することが重要でなのです。

大企業と中小・小規模企業の違いは極めて大きい

 大企業と小規模企業の違いを認識せず、教科書通りに当てはめても、問題は解決せず、うまく経営することは難しいといえます。 では大手企業と中小企業の何が違うか、それはヒト・モノ・カネ・情報の経営資源が圧倒的に不足していることです。
 中小企業は人材が乏しく、一人が多くの業務をこなし、日々作業に追われています。実は社長自身もプレイヤーであることが多く、戦略や戦術を構築する暇もないところが多いのです。社員が日常の作業で忙しいため、大企業のように、「社長が戦略を立てて、部下が戦術を構築する」ということができません。そして社長自身も業務に追われていては、戦略や戦術を構築するという「思考」を担当する人間がいなくなります。そのため、日々の業務改善も進まず、生産性が低くなるのです。
 その他、設備も古く、現預金も少ないのが現状です。
 そのため、大企業と中小企業の仕事の取り組み方はまったく違うのです。

ビジネスDD最大の問題は「事業の中身が把握できない」こと

【現状のビジネスDD(事業調査報告書)の問題点】
 現状のビジネスDDの問題点を以下のとおり整理します。
  • 事業調査報告書の「品質」が低い
  • 内部環境分析が不足、表面的かつ偏った情報のみ
  • 「数字の整理」「あるべき論」の羅列で「分析」されていない
  • ページ数が多いだけで「中身」が乏しい
  • 問題点を抽出せず、原因の究明もない
  • 強みを抽出せず、真の強みの究明もない
  • 戦略・戦術(問題点の改善策、強みを活かした成長の施策)の提案がない。うまく経営するための「答え」がない
  • スキルがないため、ビジネスDDに多くの人員と時間を要してしまい、費用が高騰する