M&Aで企業買収前に押さえるべき企業特性③/「フロービジネス」と「ストックビジネス」の特徴の違い

query_builder 2021/05/25
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M&A

 中小企業のM&Aで成功をおさめ、安定した経営を行うためには、まずは売手企業の詳細な内部環境を把握することが大切です。

 ただしその前に、知識として中小企業の様々な特性を押さえておく必要があります。


 特性を知らなければ、正確かつ迅速な経営判断ができません。

 なぜなら、特性というのは経営判断の前提条件となるものであり、特性を知らない中で経営判断を行ってしまうと判断を大きく誤り、ミスリードによって経営を悪化させてしまう可能性があるからです。


 そこで、8回に渡って、M&Aの企業買収前に押さえるべき企業特性について説明いたします。


 第3回目は、「フロービジネスとストックビジネスの特徴の違い」です。   



フロービジネスの特徴


 「フロー(flow)」とは「流れ」という意味であり、「フロービジネス」は、その都度の取引で収入を上げているスタイルのビジネスのことです。


 例えば飲食店や小売店、そして製造業は主にフロービジネスに該当し、中小零細企業のほとんどがフロービジネスを展開しています。


 フロービジネスの特徴は、顧客にとって購入のハードルが低いため、比較的集客しやすく、開業してから早い段階で売上を得られるので、創業時のキャッシュフロー面でメリットがあります。


 例えば小売店では、新規開店でオープンセールを実施することで集客し、運転資金を確保しながら経営を続けることができます。


 一方で、都度契約を繰り返して収益を得るスタイルのため、収益が安定しにくく、競争も激しくなりなります。


 また、一般消費者向けの場合は、市場の流行り廃りや顧客の飽きなどにも影響するため、常に顧客のニーズ・ウォンツに敏感に対応することを心掛けておかなければ、競合他社に顧客を奪われる可能性が高まります。



ストックビジネスの特徴


 「ストック(stock)」とは「蓄える」という意味で、「ストックビジネス」は、顧客と契約を結んだり、会員を確保したりすることで、継続的な利益を得るスタイルのビジネスのことです。


 例えば、通信事業、電力・ガス事業、レンタル・リース、会費制のスポーツジムやフィットネスクラブなどです。


 その他、生活必需品などを定期購入する場合も該当します。


 ストックビジネスの特徴は、収益が安定するほどの契約・会員を獲得するまでに時間がかかるため、それまでの運転資金の確保が課題となります。


 ただし、一定数の契約・会員を獲得できれば、フロービジネスよりも継続的にまとまった収益が得られるので、収益が安定しやすくなります。


 その他、喫茶店のコーヒーやエステサロンなどのチケット制は、チケットを使い切ると再販売する必要がありますが、最初にまとまった収益を確保できるため、フロービジネスとストックビジネスの中間的な位置づけとスタイルと言えます。


 なお、同じ商品について、都度販売で展開しつつ、割安感を出した会員制で顧客を確保するという、フロービジネスとストックビジネスを複合させた手法も多く見られます。

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