M&Aで企業買収前に押さえるべき企業特性②/「労働集約型」と「資本集約型」の特徴の違い

query_builder 2021/05/24
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M&A

 中小企業のM&Aで成功をおさめ、安定した経営を行うためには、まずは売手企業の詳細な内部環境を把握することが大切です。

 ただしその前に、知識として中小企業の様々な特性を押さえておく必要があります。


 特性を知らなければ、正確かつ迅速な経営判断ができません。

 なぜなら、特性というのは経営判断の前提条件となるものであり、特性を知らない中で経営判断を行ってしまうと判断を大きく誤り、ミスリードによって経営を悪化させてしまう可能性があるからです。


 そこで、8回に渡って、M&Aの企業買収前に押さえるべき企業特性について説明いたします。


 第2回目は、「労働集約型と資本集約型の特徴の違い」です。   



労働集約型産業の特徴


 労働集約型とは、人間の労働力への依存度が高く、お金や機械・設備よりも、人間の手による仕事量が多い産業のことです。


 事業活動の主要な部分を労働力に頼っていて、売上高に対する人件費の比率が高くなる産業であり、売上を増やすためには、その分の労働者が必要になります。


 例えば、農業や漁業、介護・飲食店・マッサージなどのサービス業や、タクシー業界、機械化が進んでいない製造業です。


 中小零細企業の労働集約型の製造業の特徴として、労働生産性が低いことが上げられます。


 資本集約型でボトルネックになるのは設備ですが、労働集約型のボトルネックは作業員です。


 そして労働集約型産業の生産性を上げるためには、OJTなどの教育によって社員のスキルアップを図ることです。


 具体的には、品質の向上、作業スピード向上、そしてマルチタスク化による作業者の手待ちの回避です。



資本集約型産業の特徴


 一方で資本集約型とは、労働力より設備機械などの固定資本への依存度が高い産業のことで、装置産業とほぼ同義です。


 事業活動の主要な部分を資本に頼っていて、売上高に対する固定資産の比率が高くなる産業であり、売上を増やすためには、その分の設備投資が必要になります。


 例えば、機械化が進んだ製造業、電気やガス、通信、エネルギー、鉄道や、大型商業施設なども含まれます。


 売上高に占める人件費の割合は下がり、いかに資本効率を高めるかがポイントになります。


 具体的には、稼働率の向上、生産能力の向上などです。


 例えば、1日の設備の稼働時間を8時間から16時間、あるいは24時間体制にする、最新設備を導入して1時間当りの生産量を増やす、などです。


 そのため、設備投資にかける資金力のある大企業のモデルと言えます。


 もし大量生産の製品を製造するビジネスを中小零細企業が実施しても、最新設備で勝負する大企業に対してはコスト、品質、生産量のどれをとっても敵いません。


 その他、知識集約産業というものがあります。これは、知的労働力や研究開発が収益の源泉となっている産業で、例えばコンサルティングファーム、ファブレスメーカーなどです。


 一人当たりの資本投下額は大きくはなりませんが、一人当たりの収益力は高くなる傾向にあります。

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