個人M&A失敗の要因⑥/従業員とのコミュニケーション不足

query_builder 2021/05/12
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M&A

 M&Aでは、小規模なものから大規模なものまで、実は多くの買収企業の社長が「M&Aは失敗した」と感じているのが現状です。


 失敗の原因は様々ですが、本章では特に、個人M&Aでの中小企業の買収で失敗する要因と思われる内容について、7回に分けてご紹介します。


 個人M&A失敗要因の6つめは、従業員とのコミュニケーションが不十分なことです。  



 大手企業と中小企業の違いについては以前のブログで明記しましたが、中小企業は組織体制が曖昧で管理・統制が不十分です。

 

 そして経営者と従業員が、指揮命令系統ではなく人間関係でつながっていることも少なくありません。


 そのため、経営者と従業員との信頼関係が構築できていなければ、大企業以上に業務に支障をきたします。


 そして、経営者と従業員との信頼関係を構築するための最も重要な要素が、このコミュニケーションなのです。


 例えば大手企業では、管理者が部門全員に指示を出す際、メールで一斉送信すれば伝わります。


 特に個別に丁寧に説明することもなく、部下はその指示に従って業務を行います。


 もちろん大手企業でも個別のコミュニケーションは大切ですが、都度個別にコミュニケーションを取らなくても、業務はスムーズに進みます。


 一方で中小企業の場合、業務によっても異なりますが、メールで一斉に指示を出しても現場は動かないことがあります。


 これは、中小企業の業務が労働集約型で固定化されており、また個々の業務範囲を担当者個人で決めてしまう傾向があるため、メールで新たな業務を部門単位で依頼しても、従業員は自分を当事者として認識しないのです。


 また、そもそも中小企業の従業員は、現在行っている業務以外の仕事への取組み意識が非常に消極的です。


 これは、中小企業の従業員の給与は、大手企業の半分か3分の1程度で、ボーナスも福利厚生も少なく、昇格もないに等しいため、大企業と比べて仕事に対するインセンティブが圧倒的に少ないのが要因の一つです。


 中小企業の従業員は、このような環境の中で日々の仕事をこなしているため、これ以上仕事を増やしたくないと考えています。


 そのため、従業員との信頼関係が希薄であれば、社長であっても従業員の重い腰を上げさせるのは一苦労です。


 この状況を知らずに、コミュニケーションも取らずにメールでそっけなく依頼してしまうと、従業員のやる気は高まらないばかりか、経営者に対して不信感を抱く可能性があるのです。


 特に外部から来た経営者は、従業員にとって「よそ者」であり、心を開くのに時間がかかります。


 それが大手企業から来たとなると、従業員は余計に警戒するでしょう。


 そんな中で、現場とコミュニケーションを取らず、知識と合理性で現場を動かそうとすると、従業員から総スカンを食らってしまうかもしれません。


 企業を買収して成功する経営者は、徹底した現場主義者であり、従業員とコミュニケーションを大切にする人です。


 経営者が一人ひとりとコミュニケーションを取り、個々に信頼関係を構築して初めて現場の担当者は動くことを知っているからです。


 中小企業をうまく経営していくには、各従業員とコミュニケーションを取って信頼関係を構築し、機能面だけでなく感情面でアプローチすることが大切なのです。

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