経営のマジック!「ブランド・アイデンティティのビジョン化」とは?

query_builder 2021/03/24
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ブランディング

 前回、「ブランド・アイデンティティとは何か」について説明しました。

 おさらいすると、ブランド・アイデンティティとは「顧客に思われたい価値イメージ」であり、自社のブランド確立のための「軸」となる重要な要素のことです。  


 そしてこのブランド・アイデンティティに沿った商品やサービスを提供し続け、これらを発信し続けることで、顧客のブランド・イメージ(顧客がその企業・商品を見聞きして感じるイメージ)と、このブランド・アイデンティティが等しくなり、ブランド力が向上するのです。  


 このように、ブランド・アイデンティティは、企業のブランド力向上、そして成長戦略には欠かせない要素です。  


 ただ、このブランド・アイデンティティは、さらに有益な活用方法があります。

 それが、「ブランド・アイデンティティのビジョン化」です。  


 「ブランド・アイデンティティのビジョン化」とは、「ターゲット顧客向けに発信するための『顧客にどんな会社、どんな価値を持っていると思われたいか』というイメージを、自社の社員の目指すべきゴール(ビジョン)に設定する」ということです。  


 そしてこれは、まさに経営のマジックと言っていいほど、企業経営に大いに効果的なものなのです。  


 では、この「ブランド・アイデンティティのビジョン化」がなぜ「経営のマジック」と言えるのでしょうか。

 それは、このブランド・アイデンティティのビジョン化は、企業の様々な悩みや課題を一気に解決するからです。  


 経営には経営理念・ビジョン・ミッションが必要ですが、中小会社では、これらがもともと無いことが多いのが現状です。

 そして、これらを掲げている企業でも、これは中小企業や大企業に限らず、これらは社員には浸透していないため、これらを理解している社員はほとんどいません。

 また、経営者の多くは共通して「会社の統制が取れない」「社員の士気が低い」「社員に自主性がない」「社員が顧客軸で考えない」などの問題を抱えています。  


 そしてこれらの課題は、ブランド・アイデンティティをビジョンにすることで一気に解決することができるのです。  


 それでは、この「ブランド・アイデンティティのビジョン化」の効果を1つ1つ説明していきます。  


 1つは、従業員への浸透が容易であることです。 経営者にとって経営理念やビジョンを社内へ浸透させることは、時間と労力がかかる非常に大変な業務です。

 例えば半年程度で社内に経営理念を浸透させるというコンサルティングも存在するくらいです。

 しかし、いくら時間と労力とコストをかけても、理念やビジョンを組織の隅々まで浸透させることは困難なのが現状です。

 これは、そもそも理念やビジョンが浸透しにくいことが原因なのです。  


 2つめは、全従業員のベクトルが一致しやすいことです。

 社内へのビジョンの浸透と同様に、全従業員のベクトルを合わせることは、経営者にとって非常に難易度の高い業務と言えます。

 しかし「顧客にどう思われたいか」と いうシンプルなビジョンであれば、従業員にとってイメージしやすいだけでなく、ビジョンと各従業員の業務を紐づけがしやすくなります。

 そのため、経営者だけでなく、従業員一人ひとりが同じゴールを目指すことが可能となり、ベクトルが合いやすくなるのです。  


 3つめは、経営者だけでなく従業員1人ひとりが「顧客軸」で物事を考えることができるようになることです。

 社内会議などで議論が対立し、解決策を見出すことができない要因の1つは、各人が自分都合や、各部門の都合で物事を考えることが要因となって起こります。

 例えば、料理店などで、顧客の要望に応じて料理を変更したいと考える店長と、自身の考えた料理を変えたくないと考える厨房側との対立があります。

 また、案件受注のためにコストを下げたいと考える営業部と、品質問題を起こしたくないため一定のコストが必要であると考える製造部との対立です。

 これらは、各々の部門や個人の都合で議論をするため、話し合いが平行性に終わるのです。

 そのため、各部門や各人が「顧客軸」で考えて議論をすれば、「軸」が統一されてブレることがなくなるため、このような対立が生まれることは少なくなります。  


 4つめは、物事の判断を常に顧客軸で行えるようになるため、経営者の経営判断や、各従業員の判断力が向上することです。

 これからの企業経営は、物事の判断とアクションのスピードと質が問われる時代です。そして経営判断を誤る大きな理由は、顧客よりも企業側の論理で判断すること、つまり「企業軸」で考えていることが要因です。

 しかし成功している企業の経営者は例外なく、顧客軸で物事を判断しています。

 そして従業員1人ひとりが顧客軸で物事を考えて行動しています。このような組織にする方法として、BIのビジョン化は非常に効果を発揮するのです。  


 5つめは、従業員のモチベーションや自主性が向上することです。

 ビジョンをBIにすることで、従業員の業務がビジョンと直結し、「顧客にこう思われるためにはどうすればいいのか」と自身で物事を考え、判断できるようになります。

 従業員を指示通りに作業させるだけでは、従業員は業務に飽きてしまい、従業員の士気を向上させることはできません。

 しかし、自分自身で物事を考え、判断できるようになれば、従業員の仕事への充実感は高まり、自然と士気が上がるのです。  


 最後に6つめは、組織の統制や意思決定が容易になり、組織力が向上することです。

 ベクトルが合っていれば、経営者にとって組織を統制することは難しいことではなくなり、経営の意思決定により組織全体を動かすのも容易になります。

 そして一人ひとりの従業員が自ら考えて行動するようになることで、従業員は成長してレベルアップしていくため、それが更なる組織力向上につながるのです。  


 このように、BIのビジョン化は、様々な効果を短期間で実現することができる、まさに「経営のマジック」と言えるものです。  



【「ブランド・アイデンティティのビジョン化」のメリット】

①    社員への浸透が容易

②    全社員のベクトルが一致しやすい

③    経営者、社員1人1人が顧客軸

④    顧客軸による経営判断で、経営者の判断力が向上

⑤    社員の士気向上、自主性向上、レベル向上

⑥    組織の統制、意思統一が容易で、組織力が向上

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