大企業あるある⑧:プロセス軽視の結果主義/中小企業の事業再生コンサル

query_builder 2021/02/01
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事業再生

 中小企業は大企業と比べて、経営体制や組織体制が不備な場合が多くある一方、中小企業が規模を拡大して社員数が増えてくると、経営者は、日本の大企業の現在の経営体制、組織体制を目指し、模倣しようと試みます。

 しかし、経営体制や組織体制がしっかりと構築できていると言われる現在の日本の大企業には、経営や事業運営面でさまざまな問題が発生しています。


 例えば、無駄な作業の増加による生産性低下、意思決定スピードと質の低下、組織体制の保守化などです。


 つまり、小規模の組織体でのメリットが失われてしまうのです。


 そこで9回にわたって、このような大企業でよく発生する、一般的に「大企業病」と言われる現象を「大企業あるある」として紹介します。


 大企業あるあるの8回目は「プロセス軽視の結果主義」です。   



結果主義とは

 「成果主義」とは、業務の成果によって評価して報酬や人事を決定することです。


 かつて日本の企業は「年功序列型」でしたが、チャレンジ精神やモチベーションの低下を招くとして、少しずつ成果主義が取り入れられています。


 そして本項で示す「結果主義」は、成果主義とは少し異なります。

 結果主義とは、「中身(プロセス)」を診ずに「結果」だけで評価することで、物事の本質を吟味する意識が欠如する体質のことです。


 プロセスを軽視することにより、「個人のノウハウを組織全体でノウハウとして蓄積して共有し、組織全体として品質とスピードを上げていくことで、組織全体の成熟度を上げていく」という組織的かつ中長期的な取り組みができにくくなります。   



結果主義の具体例と弊害

 例えば営業で「完全歩合制」の場合、個人で営業成績が大きいほど、個人が高い評価を受けて高い報酬を得ることができます。

 そしてこれは、保険の営業など、個人の力量で営業を行っている場合に適合するしくみです。


 しかし組織で営業活動を行っている場合、受注には様々な部門がからむため、営業マンだけが恩恵を受けるのは不公平感がでます。

 また、営業マン同士でも、担当している得意先や領域によっても状況が変わります。


 例えばBtoBの場合で、たまたま営業の担当を引き継いだ会社が大口であれば、その人の力量や負担に関係なく営業成績は上がります。

 また、新規問合せの電話が入り、たまたま事務所にいた営業マンがその連絡を取り継いで、その問合せが大口顧客であった場合、その営業マンは大きな努力もなく営業成績を上げることができます。


 そうなったら営業マンは、外出せずに事務所で電話を待っていた方が効率的だと考えるようになってしまいます。


 本来であれば、組織的な営業のしくみを構築して、組織として顧客にアプローチする体制を構築することが望ましいと言えます。


 具体的には、新規顧客の初回問合せは、営業活動で得られるものではなく、チラシやホームページを見て連絡してくるため、チラシやホームページをいかに作り込むかも受注には重要な要素になります。

 受注に必要なことは営業活動だけではないのです。


 そのため、新規問合せから受注、リピートまでの「中身」と「プロセス」を吟味し、トータルでしくみを作り、改善していくことが重要なのです。


 しかし結果だけで判断してしまうと、営業活動の中身やプロセスを吟味し改善して、より良いしくみを作るという、本質的で中長期的な組織活動の意識が欠如してしまいます。

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