大企業あるある⑦:組織複雑化(多部門、多階層)により非効率化/中小企業の事業再生コンサル

query_builder 2021/01/27
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事業再生

 中小企業は大企業と比べて、経営体制や組織体制が不備な場合が多くある一方、中小企業が規模を拡大して社員数が増えてくると、経営者は、日本の大企業の現在の経営体制、組織体制を目指し、模倣しようと試みます。


 しかし、経営体制や組織体制がしっかりと構築できていると言われる現在の日本の大企業には、経営や事業運営面でさまざまな問題が発生しています。


 例えば、無駄な作業の増加による生産性低下、意思決定スピードと質の低下、組織体制の保守化などです。


 つまり、小規模の組織体でのメリットが失われてしまうのです。


 そこで9回にわたって、このような大企業でよく発生する、一般的に「大企業病」と言われる現象を「大企業あるある」として紹介します。  


 大企業あるあるの7回目は「組織複雑化(多部門、多階層)により非効率化」です。



組織複雑化の具体例

 日本の大企業の組織体制は、部門数が多く、階層も多いため、非常に複雑になっています。

 複雑化する理由としては、基本的に大企業は機能別組織が徹底されており、部門と仕事内容が明確に分かれているからです。


 例えば中小零細企業の場合、総務部が会計や人事、企画、広報なども担当することはよくあります。

 しかし大企業の場合はそれらが明確に分割され、各社員は自分の所属する部門以外の仕事は任されません。


 事業部の中で新たな機能が必要になると、既存の部門に任せるのではなく、新たな部門を設置してその機能に特化した部門を作ります。

 大企業の社員がシングルタスクになる理由がここにあります。


 また、管理職以上の人が増えてくると、その人材の居場所を確保するために新たな部門を作ることも行われます。


 例えば、部長級の人材が増えると、「部長」という肩書はその部門の中では1つであるため、「担当部長」「専任部長」「主幹」など、様々な肩書を使って、彼らのための組織を作るのです。


 「組織は戦略に従う」と言いますが、機能別組織が独り歩きしてしまい、「戦略」ではなく「社員の都合」によって新たな組織が生まれてしまうこともあるのです。   



組織複雑化の弊害

 多部門や多階層によって組織が複雑になると、業務は非効率化し、生産性が下がってきます。

 例えば、ボトムアップで何か提案(改善)したい事項に対し、関係部門や役職が増えると、稟議書での承認者が増え、決定までの時間と労力がかかります。


 主な仕事が「承認」という役職者もいるため、中身以外の細かいところまでチェックして修正を求められたり、自身が理解できない内容については説明を求められたりして、無駄な負担が増えてしまいます。

 その結果、迅速な意思決定ができなくなります。


 さらに、一度決定された事項を簡単に変更できない弊害も出てきます。


 決裁のために「現場⇒課長⇒部長⇒事業部長」というプロセスが必要と同様に、決定事項を変更するのにもこのプロセスが必要になることです。


 大企業に限らず国の施策においても、その決定事項が現場に適合しないことが判明してすぐに改善が必要な場合でも、なかなか修正されないことが多くありますが、この複雑な組織体系が要因なのです。


 「組織は階層を飛び越えてはいけない」が組織体制のセオリーです。

 なぜなら、組織の秩序が乱れ、飛ばされた中間管理職が不満を抱くからです。


 しかしこのセオリーによって、経営活動に重要なスピードと品質が失われている実態があるのです。


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