大企業あるある④:ルール依存体質、忖度体質/中小企業の事業再生コンサル
中小企業は大企業と比べて、経営体制や組織体制が不備な場合が多くある一方、中小企業が規模を拡大して社員数が増えてくると、経営者は、日本の大企業の現在の経営体制、組織体制を目指し、模倣しようと試みます。
しかし、経営体制や組織体制がしっかりと構築できていると言われる現在の日本の大企業には、経営や事業運営面でさまざまな問題が発生しています。
例えば、無駄な作業の増加による生産性低下、意思決定スピードと質の低下、組織体制の保守化などです。
つまり、小規模の組織体でのメリットが失われてしまうのです。
そこで9回にわたって、このような大企業でよく発生する、一般的に「大企業病」と言われる現象を「大企業あるある」として紹介します。
大企業あるあるの4回目は「ルール依存体質、忖度体質」です。
規則や指示に依存した思考
日本の大企業の事業は、日常の業務から、展示会出展などの非日常業務に至るまで、規則やルールに基づいて運営されます。
理由は、規模が大きく社員数が多いため、効率的に管理・統制する必要があるからです。
また、個々に権限を与えすぎると管理が十分に行き届かなくなる恐れがあるからです。
大企業の場合、社会的責任が重く、1人でも社員が問題を起こすと大問題となってマスコミに取りあげられるなど大問題に発展し、会社全体のイメージが悪化するため、規則やルールと管理によってコントロールすることが求められるのです。
そのため、管理者の能力は大きな問題にはなりません。
組織の規則やルールが多くなると、社員はそのルールに沿って仕事を行うことを重視するようになります。
またルール同様、上司の指示に対しても忠実に対応するようになります。
つまり、社員は皆、ルールへの依存体質に陥ってしまい、ルールや指示に合わせることを最優先に考え、自身で物事を考えなくなってしまいます。
その結果、目の前の顧客の要望に対応することが会社全体のメリットになり、拒否するとデメリットになることであっても、それがルールに沿っていなければ拒否するのです。
肩書による縦社会、忖度社会
また、肩書による上下関係が明確な縦社会であるという特徴もあります。
例えば、経営者や事業部長クラスの決定事項が、現場から見て無駄で効果がない、さらには客離れを起こす浅はかな内容であっても、指摘や反対することは少なく、素直に受け入れるのです。
つまり、経営者などの上層部の決定事項は絶対であり、彼らにとっては法律同然なのです。
このような縦社会の中にいて、経営者や上司の指示が絶対であるという価値観になると、社員は顧客よりも常に経営者や上司の機嫌を伺うようになり、社員はYesマン化します。
そして人事権を持った上司は、自身に忖度するYesマンを高く評価するようになり、自身の昇格時に自身に忠実はYesマンを後釜に昇格させるため、社員だけでなく、管理者や経営幹部に至るまで、忖度体質に陥るのです。
これが保守的組織のメカニズムです。
その結果、上層部は顧客軸を失い、顧客が見えなくなり、どこからお金が入ってきているのかという意識を完全に失ってしまうのです。
このよう体質を回避するには、社員全員に「顧客軸」を徹底させることが重要なのです。
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