大企業あるある②:組織の硬直化/中小企業の事業再生コンサル

query_builder 2021/01/11
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事業再生

 中小企業は大企業と比べて、経営体制や組織体制が不備な場合が多くある一方、中小企業が規模を拡大して社員数が増えてくると、経営者は、日本の大企業の現在の経営体制、組織体制を目指し、模倣しようと試みます。

 しかし、経営体制や組織体制がしっかりと構築できていると言われる現在の日本の大企業には、経営や事業運営面でさまざまな問題が発生しています。


 例えば、無駄な作業の増加による生産性低下、意思決定スピードと質の低下、組織体制の保守化などです。


 つまり、小規模の組織体でのメリットが失われてしまうのです。 そこで9回にわたって、このような大企業でよく発生する、一般的に「大企業病」と言われる現象を「大企業あるある」として紹介します。


 大企業あるあるの2回目は「組織の硬直化」です。


組織の硬直化とは

 日本の大企業でよく言われることが「組織の硬直化」です。


 大企業は組織体制が確立しているため、決まったルーチンの範囲で、日常的な業務を効率的・効果的に行うことは得意です。


 しかしその反面、そのしくみの範囲外の日常業務以外の仕事、例えば新たな価値を提供したり、環境の変化に対応したりする場合では、組織のパフォーマンスが十分に発揮できないのです。


 これが「組織の硬直化」であり、「組織の形骸化」「組織の機能不全」も同様の意味で使われます。


組織の硬直化を生む要因

 組織が硬直化する要因はさまざまです。


 1つは、組織が縦割りであるため、社員は自分の部門の利益を優先するようになり、組織間で対立が生まれることです。

 例えば、「本社」対「工場」の場合、必要な利益を確保したい本社側は、工場に対して原価削減を要求します。


 一方で、工場側は自部門の体制維持と品質安定化を理由に原価維持を主張し、双方が対立します。


 また「営業」対「技術」の場合、営業は現場トラブルを後方部隊の技術部門に丸投げし、技術は、必要な情報を伝えない営業に不満を持ち対立を生みます。


 本来であれば、顧客を軸にして「顧客満足度向上こそが会社の価値を向上させ、会社全体の利益を生む」と考え、組織が協力体制を築いて柔軟に対応することが望ましい姿です。


 しかし、各部門が個々の部門を軸に、各部門の利益と現状維持を最優先に考えるようになるのです。


 また、大企業は規模が大きく社員も多いため、おのずとルールや規則といった決まり事が多くなります。


 社会からの注目度も高いため、コンプライアンスへの取組みも進んでいます。


 そのため、ルール順守の手続きやチェック、各種報告など、本質的業務以外の様々な作業に労力がかかるため、ルール通りや正しい手続きに則っていれば良し、という価値観に陥ってしまうのです。


 その他、統率者のリーダーシップ不足も大きな要因の1つです。


 1つの事業を運営するには、様々な機能の組織が一枚岩となって対応することが望まれます。


 しかし、前章の「人間そもそも」でも紹介した通り、人間は自分を最優先に考える傾向にあるため、各部門を統率する者が不在であれば、各部門が各々の部門の利益を優先する主張を行うようになります。


 そのため、その事業のトップが、全体の進むべきゴールを示し、そのゴールを目指すために各部門が何をすべきか、どのように考えるかを示すことで、組織全体を巻き込むことが重要です。

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