中小零細企業と大企業の違い②:経営資源が乏しい/M&Aのビジネスデューデリジェンス(ビジネスDD)

query_builder 2020/12/12
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M&A

 中小零細企業と大企業では、実は経営の参考書等では書かれていない様々な違いがあります。そして経営の参考書やビジネス書などに書かれている内容の多くは大企業に関する内容であり、中小零細企業には当てはまらないケースも少なくありません。

 

そのため、M&Aで大会社のサラリーマンが買収して中小零細企業の経営者になった場合、大企業と同じような感覚で、教科書通りや、サラリーマン時代で経験した大企業の感覚で経営をしてしまい、その結果、うまく経営できず業績を悪化させているケースが多発しています。


 中小零細企業の経営をまずは中小零細企業の実態を理解し、それを踏まえて評価しなければ、中小零細企業をうまく経営することはできません。そこで、中小零細企業の実態について、8回にわたって大企業と比較しながら説明していきます。


 中小零細企業と大企業の違い2回目は、「経営資源が乏しい」です。



「ヒト」に関する中小零細企業の実態

 経営資源とは「ヒト・モノ・カネ・情報」を指しますが、これらに関する中小零細企業の実態を、大企業と比較しながら見ていきます。

 まずは「ヒト」について、社員数が少なく、募集してもなかなか集まらないため、人材が不足しており、一部の人が多くの業務をこなさなければなりません。


 OJTのしくみがないなど教育体制が未確立でマニュアルも未整備のため、社員の成長スピードが遅く、社員のスキルにもムラがあり、高齢化も進んでいます。パソコンを苦手とする社員も多く、簡単な資料作成やフォーマットの修正にも多くの時間がかかるケースがあるため、業務の効率性は低く、業務の柔軟な対応や変更が困難です。


 さらに、大手企業の場合、経営幹部や管理者が戦略を構築し、社員がアクションレベルの戦術を構築するのが一般的ですが、中小零細企業の場合、経営者や経営幹部が戦術まで構築しなければ現場が動かない(改善施策が実行されない)場合が多いのです。



「モノ」に関する中小零細企業の実態

 「モノ」については、施設や設備が不十分で、かつ老朽化しているケースも多いため、生産性が低い状態です。

 そのため、大量生産など設備投資が必要な資本集約型産業では、コスト削減が困難で中小零細企業は圧倒的に不利と言えます。


 また、商品ラインナップが少なく、組織体制として商品開発部門がないため、トップの意識が低ければ新商品開発が長期間行われない場合も少なくありません。

 競争が激しい昨今では、新商品が開発されなければ、顧客は流出し、売上は減少傾向となります。


「カネ」に関する中小零細企業の実態

 「カネ」については、内部留保と呼ばれる会社内部の現預金は圧倒的に乏しく、正常企業でも赤字の期が連続するとすぐに資金繰りが厳しい状況になることもあります。

 

 また資金調達力も乏しいため、黒字倒産の恐れもあり、タイムリーな業績管理と資金繰り管理が重要になります。



「情報」に関する中小・小規模企業の実態

 最後に「情報」では、特に業績などの内部情報が未整備のため、必要な情報を経営に活かされていません。


 例えば、経営者が試算表を理解せず、業績が低迷していてもその深刻度が把握できないため、対策を先送りしがちになります。


 また商品別・顧客別の売上推移を整理していないため、現状を踏まえた具体策をタイムリーに講じることができません。


 その結果、様々な問題が発生しても何の対策も打たずに、多くの問題を抱えたまま同じルーチン業務を繰り返すだけの事業運営に陥るのです。

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