M&Aのビジネスデューデリジェンス(ビジネスDD)/ビジネスDDの役割は、事業の現状把握と、問題点・強みの抽出

query_builder 2020/11/06
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M&A

 ビジネスDDの役割は、単にフレームワークを活用して情報を整理したり、分析したりすることではありません。再生企業を再生に導くために、問題点と強みを抽出し、企業の経営改善施策や強み活用の施策につなげていくことです。そのための「質の高いビジネスDD」というのは、「企業全体の詳細の現状把握、詳細の問題点の抽出と原因究明、真の強み究明を行って、これらを踏まえた具体的な改善・成長戦略、および戦術が示された事業調査報告書」なのです。


 中小企業の場合、経営や組織、営業や製造など、各機能で多くの問題が存在しており、そして各問題点の原因は1つではありません。そのため、個々の問題点に注目し、それらの原因を究明することが重要です。


 例えば「営業成績低下」という問題点がある場合、多くのコンサルティングではここで「営業教育の実施」という施策を提案してしまいます。そして大手コンサルティング会社では、自社で持つ営業教育のパッケージを売り込むのです。そのパッケージが数百万円もする場合もあります。しかしながら、「営業成績低下」という問題点の原因が、営業のスキル不足であるとは限りません。営業の手法が誤っていたり、管理体制に問題があったり、或いは経営に問題があったりと、原因は様々である場合が多いのです。そのため、数百万円した営業教育を受けたとしても、問題は解決されるとは限りません。


 さらに、「営業成績低下」の理由として「モチベーションが低下している」とします。するとコンサルティング会社はすかさず「モチベーション向上のため『目標管理』のしくみを構築しましょう」と提案し、自社の目標管理パッケージを数百万円で導入する提案を行います。そしてもちろん、モチベーションが低下した理由は、営業マンが将来に不安を持っているなどであるとは限らないため、この目標管理のしくみを数百万円で受注したところで、営業成績は向上しないのです。


 そのため、「営業成績低下」という問題点の原因を1つ1つ丁寧に掘り下げていき、真の原因を究明することが重要です。

 例えば、営業成績低下の真の原因が「個々の営業マンの営業手法が確立していない、皆手法が異なって営業活動の質が低い」であれば、営業手法を見直して、クオリティの高い手法を確立しなければなりません。そうすることで、営業担当全員が、クオリティの高い営業手法で日々の営業活動を行うことができるのです。

 また、この真の原因が「製品が緻密で営業マンでは詳細説明ができない」であれば、A4サイズ1枚で簡単に製品の詳細説明と強み、相手のベネフィットを簡潔に明記された販促資料を作成し、それを営業マンが説明するようにするのです。そうすれば、誰でも読むだけでプロの営業トークができるようになるのです。


 このように、問題点だけで原因を究明しなければ改善はできません。逆に、問題点の「真の原因」を究明して初めて、そこにメスを入れて改善策を構築すれば、コストをかけなくても簡単に問題は解決できるのです。


 なお、中小企業は自社の強みを理解していない場合が多くあります。そのため、ビジネスDDでしっかりと強みを抽出し、その強みを活かした施策を構築することで、初めて成長施策を打ち出すことができます。

 こうして、問題点の改善策や、強みを活かした成長施策を明確にすることで、事業再生の場合は再生企業の再生が実現し、M&Aの場合は早期に経営統合が実現し、シナジー効果を発揮することができるのです。

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