M&Aのビジネスデューデリジェンス(ビジネスDD)/事業再生の「ビジネスDD」の実態

query_builder 2020/10/26
ブログ
事業DD、事業計画

M&AのビジネスDDの本質は事業再生コンサルティング

 私は事業再生コンサルタントとして、さまざまな再生企業の再生に携わってきました。事業再生コンサルティングの仕事は、再生企業(業績低迷して資金繰り難に陥り、金融機関向けに約定返済が困難な企業)の業績を改善することです。具体的には、再生企業を調査して再生に陥った問題点や強みを抽出し、経営・業務の改善と売上・利益向上の施策の提案をして実現に向けて支援を行います。


 事業再生コンサルティングの主な業務内容は、大きく3つあります。

 1つめは「ビジネスデューデリジェンス(以下、ビジネスDD)」で、事業再生の場合、再生企業の調査・分析を行って再生に陥った要因を突き止め、再生の施策の提案を行って、これらの内容を「事業調査報告書」にまとめることです。

 2つめは「経営改善計画書」の作成です。事業調査報告書で提案した内容をアクションプラン(再生に向けた具体的施策とそのスケジューリング)に落とし込み、このアクションプランを踏まえて、向う3~5年間の将来のPLを作成します。

 3つめは「実行支援」です。作成したアクションプランの実現に向けた支援や、日々発生する課題の解決策の提案や、現場に落とし込むための具体的な支援を行います。


事業再生の世界でも、ビジネスDDの実態は、単なる企業情報の整理

 しかし、上記に示したビジネスDDの役割は「望ましい姿」であり、実態とはかなりかけ離れているのが現状です。なぜなら、実際の事業調査報告書というのは、多くの場合、単なる定量分析(数値の分析)が中心で、定性分析がほとんど実施されていないからです。また、定性情報を扱っていても、単にフレームワークを活用して「情報整理」しているだけで、問題点やその原因、強みを抽出するための「分析」レベルに到達していません。さらに、再生のための具体策もほとんど明記されていないのです。

 つまり、再生に陥った問題点の原因や、その企業の強みが抽出できておらず、再生のための施策を構築することができていません。見た目はきれいに整理されていても中身が薄くなってしまうのです。


 こうして事業の中身を確認することなく、PLとBSという数字だけで再生の手法が決定されるため、実際に再生するケースは多くありません。例えば、改善可能な事業や店舗を、赤字続きという理由だけで撤退を余儀なくされることが起きるのです。


 これが事業再生におけるビジネスDDの実態ですが、それでもM&AでのビジネスDDと比べるとクオリティは高いと言えます。M&AのビジネスDDは、買収企業の一般社員が実施するケースが多いため、さらに品質が下がってしまうのが現状なのです。ビジネスDDには高いスキルとノウハウが必要であるため、未経験では難しいと言えます。


 次回は、事業再生コンサルティングの「実行支援(現場支援)」について明記します。

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