事業再生の事業デューデリジェンス(事業DD)/事業DDのポイント

query_builder 2020/10/20
ブログ
事業DD、事業計画

 「事業デューデリジェンス(以下事業DD)」という言葉は、事業再生に携わっているコンサルタントや関係者にとっては、よく使う言葉だと思います。しかし、その他のコンサルタントや経営者など、事業再生と無関係の仕事をしている方々にとっては、まったく耳にしたことがないというのが多いのではないでしょうか。

 事業DDとは、コンサルタントが企業を調査・分析し、その企業の事業のありのままの現状をあぶり出して、今後のあり方を示した「事業調査報告書」を作成することをいいます。この調査報告書は、その企業の経営状態や業務遂行状況を、経営・組織・営業・製造など、様々な視点から分析し、見える化した上で、今後の企業の方向性や施策などをまとめたものになります。

 ですから、事業DDという名称にはなっていますが、「企業を調査して、報告書にまとめる」という意味では、従来のコンサルティング手法とほとんど変わりません。

 ただ、異なる点があります。それは、調査対象となる企業が「再生企業」であるということです。

 再生企業とは、業績が悪化して赤字が続き、資金繰りが厳しく、銀行に対して約定通りの返済(銀行からの借入金に対する、毎月決まった額の元金と利息の返済)が困難な状況に陥った企業のことです。この再生企業を、通常の企業に再生させるための調査を行うのが事業DDであり、その調査方法と報告書の中身が、一般のコンサルティングのものとは多少異なってきます。


 異なる点の1つは、調査開始から報告書作成まで、短い期間で実施する必要があるということです。なぜなら、再生企業は、すでに経営が圧迫した状態のため、時間がなく、すぐに対策を打つ必要があるからです。また、事業DDを作成した後に、事業計画書(3~10年程度先までの予測PL。この将来のPLを作成することで、銀行は、その企業が現時点でどの程度返済能力があるかを確認し、その計画書に合わせて一定期間、返済額削減等の金融支援を行う)と、アクションプラン(再生のための具体的な行動施策で、誰が、何を、どのように、どの期間実施するかをまとめたもの)の作成を行う必要があるため、調査報告書の作成だけに多大な時間を費やす訳にはいかないのです。


 2つ目は、調査報告書が実際に企業の再生につながる必要があり、そのための分析を行わなければならない、ということです。事業DDの中で行う「分析」というのは、決して様々なフレームワークを多用することでも、「あるべき論」を主張するためのものでもありません。事業DDで行う分析とは、事業の中身から問題点を抽出して原因を究明すること、そして顧客のニーズに適合した強みを抽出すること、この2点です。


 そして3つ目は、調査対象の再生企業を、実際に再生させるための戦略および戦術を構築することです。これは、前述の会社の問題点と原因、そして強みを見出して初めて、現在の問題を解決し、強みを活かした施策を導き出すことができるのです。


 このように、事業再生における事業デューデリジェンスは、会社機能である経営・組織、営業活動・製造活動・小売活動といった会社全体の機能を詳細に分析して、これらの機能で徹底的に問題点をあぶり出してその原因をつきとめること、そして強みを抽出すること、そしてこれら問題点を解決し、強みを活かした戦略・戦術を構築することが重要なのです。

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